ゼーガペインゆる解説(6話)

「ゼーガは6話まで見て」と言われている6話でございます。
筆者は実は、この「○○まで見て」ってあんまりないほうがいい概念だと思っています。
なぜなら、そう言われる作品って大体1話から面白いし、もちろん最終話まで見てほしいからなんですよね。
とは言っても、物語の雰囲気は静かだし、いっぺんに色んな事が起きて、頭爆発しそうだぜ! という気持ちも非常に分かるので、盛り上がる回というのも大切なものです。


一旦ここまでの謎を整理しましょう。

・1話冒頭でキョウは死んだの?
・今のキョウは記憶がない? ゼーガペインに乗るのは初めてではない?
・シズノとキョウはどういう関係なの? そもそも、シズノは何者?
・生徒会メンバーがオケアノスの重鎮なのはなぜ?
セレブラントたちはなぜ戦っているの? ガルズオルムの目的は?
・こちらの世界(日常を送っている世界)と、あちらの世界(廃墟の世界)、あちらの世界が現実というのは本当か?
・隠しメッセージ「ミサキシズノに関わるな」「見ている世界を信じるな」の意味は?
・あちらの世界で手が消えたのはなぜ?
・ガルズオルム側にも人間のような生き物がいる?

・クラゲ、オミズなど、先生たちは何か知っているのか?
・こちらの世界で、見る人によって他人がいたりいなかったりするのはなぜ?
「また繰り返す」「前にもあったような……」と、まるでループや並行世界を示唆するセリフがあるのはどういうこと?
・キョウとチンピラ三人組の間には何があったの? 審判を殴るほどのことだったの?
・ミズキはなに部?

結構多いですね!
重複した内容もありますが、6話ではこの1/3くらいが明らかになります。大変お待たせいたしました。

***

【entanglement 06 幻体】

OP。
あのですね、「OP映像が徐々に変化する」とご紹介したと思うんですが、追加カットがあった回以来ずっと同じだな……? と思って先のOPだけちょっとずつ見てみたんですが……。
配信版、バリエーションが減ってる!? /(^o^)\
いや、そんなばかな……と思ったんですが、初回放送時の映像資料は持っていないので、確かなことは言えません……。
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一番好きな変化はここの二人乗りシーンです。
2話時点ではただの草原でしたが、二人が通ったあとに花が咲く演出に変わっています。
花が咲くようになるのは、もうちょっと先の話からだったような……? という気がしないでもないですが、ちょっと記憶があいまいなのでここで紹介してしまいます。
配信版では3話から花が咲くようになっているみたいですね。



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前回の続きから。
学校の影から出てきた「アビス」は、姿は人間に似ていますが、言葉は電子音のようで聞き取れません。

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呆然として一方的に攻撃されるアルティールをガルダが援護。先輩の風格が出てきたなルーシェン。
シズノ「気をつけて。今までとは桁違いの強敵よ。……キョウ?」
キョウ「マジかよ……。ここが現実で、ガルズオルムは人間……?」
シズノ「人間じゃないわ、彼らは」
キョウ「え……?」
シズノ「作り物よ。人間は、私たちだけ

頭に宝石とか埋まってましたもんね。

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キョウ「作り……もの。あれが?」
シズノ「ええ」

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まだ信じられないキョウですが、自分の住んでいるマンションから煙が上がっているのを発見して……。

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キョウ「てめぇ、俺ん家壊すんじゃねぇ!!」
若干面白めのセリフですが、帰ってくる場所を守るという動機はいいですよね。
もう廃墟ですが、今までも日常世界のニュースの内容が廃墟の世界とリンクしていたりと、何が起こるか分かりません。
キョウ「ナメんなよ、千葉県民をぉ!!!!」
すみません、やっぱり面白いセリフかもしれないです。

アビスからの攻撃を受けて動けないガルダは、敵の機体に自分を繋いで……。
シズノ「敵の狙いは、ゼーガの……」ザザッ
ルーシェン「……らしいな。メイイェン!」
メイイェン「了解! バニッシュメントモード、起動!」

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ウィンドウを物理(?)でどかすのかっこいい。

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ルーシェン「シズノ、気をつけろ。敵は一体では……」
vanishの意味は「(突然)消滅する」、つまり自爆です。
乗っていた二人は退避しました。

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シズノ「ごめんなさい、私のミスよ。『アビスの影にシンあり』……敵は二機よ!」
ルーシェンは気付いていたみたいですね。
キョウに撤退を勧めても、結局戦うことに協力してしまうのはシズノの優しさなのか、弱さなのか。

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シズノ「奪われてしまったわ。ついにゼーガのプログラムデータを……」

「自爆」や、身体が光りながらなくなっていくなど、1話冒頭を彷彿とさせるシーンです。
ダメージを受けて血を流しているアビスと対称的ですね。
本当にアビスが「作り物」で私たちが「人間」……?

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傍で笑って見ていたシンを蹴飛ばしたのは……?
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フリスベルグ
OPには登場していましたが、本編では初登場。
緑と紫が味方側のメイン機、黄色が追加戦士なのはちょっと珍しいですね。しかも敵側が青と赤。
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男性「くたばれ、シン!」
かっこいいお兄さんとお姉さんだ。
アルティールもガルダも苦戦した敵を撃破。



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今まで何回か出てきた鉄橋。今回初めて、走っていく電車が見えました。
水面に反射しています。

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マンションは無事のようです。よかった。

シズノ「これがゲームに見える? 作り物の世界に……」
トミガイ「ふと僕は本当に生きてるんだろうか、とかね」
ミズサワ「私ね、どっちでもいいんじゃないかって思うのよ」
トミガイ「あるいはどっちも幻だったり。……なんてね」
ミズサワ「ただし。どちらかが現実なら、もう一方は必ず虚構なのよ」
「ミテイルセカイヲ シンジルナ」

キョウ「うわあああああ!!!!」
今までの不可解な部分と、人が消えていく記憶が合わさった悪夢で目覚めるキョウ。
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消えていったはずの左手は無事ですが、頭痛に襲われます。

思考を整理するために散歩に出かけ、なんともないマンションを見上げて「現実」を再確認。
キョウ「……だよな。現実はこれさ。あの廃墟が現実なら、俺が今見てるのはなんなんだ?」
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額にはいつの間にかセレブアイコンが光っていて……。
フォセッタ「作り物です」
キョウ「な、なんなんだよ、フォセッタ」

なぜ舞浜の街中に彼女が……?
リチェルカ「やだ、キョウさんが呼んだんじゃないですか。質問に答えろ、って」
キョウ「あ、そういうこと」

キョウの適応力が恐ろしい。
一応補足すると、セレブアイコンにはコンタクトを取る機能があり、「こちら側」と「あちら側」をまたいでいても使えます。
前回は連絡の取れないオフライン状態になりましたね。

キョウ「じゃあ答えてくれよ。ここって現実だろ? そうだよな?」
ディータ「『現実』の定義にもよりますが……」

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AIさんたち、思春期の少年をからかうのが趣味なんですか?
ディータ「認識と実践によって変更されていく客観的世界とするなら、違います
キョウ「えっ、違うって……だって俺の手、あっちの世界じゃ訳わかんねぇことに! ありゃ一体……」
フォセッタ「ですから、全て作り物なんです。街だけでなく人も
キョウ「え……」

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AIが、人間(?)に向かって、「人間を模した作り物」のマネキンと並んで「全て作り物」という話をしている。すごい図です。

キョウ「そういえばシズノ先輩は!?」
ディータ「シズノさんは、もう少し時間が……。ドライダメージが軽くないので」

2話では、カワグチに殴られた時の外傷が「自己修復」されました。
重度だとどうなるのでしょうか……?


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フリスベルグに乗っていた二人はなにかを見つめています。
女性「着任が遅れたわね。もう少し早く参戦できれば」
男性「久々の再会がこの姿か。痛々しいな……。ま、俺には見慣れた光景だがな」
女性「……クリス……」
クリス「おお、すまんすまん。一言多いのが俺の悪い癖だ。許してくれ、アーク……」

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わー! キスしちゃった! 一話からしてたけどそれとは違った味わい(?)だ!
タルボ「言っちゃなんですが、この状況だと、人間は我々AIと区別がつきませんねぇ」
クリス「お前も一言多いぞ、タルボ」
タルボ「こりゃ失礼」

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クリス「これがシズノとはな……」
痛々しいと聞いてどんな惨状なのかと思えば、モニターに映し出される数字の羅列がシズノだといいます。
切ないBGMが流れていますが、初見は「痛々しい」や「かわいそう」よりも「どういうこと?」が勝ってしまい、どんな感情になればいいのか分からないシーンですね。

私たちが初見でこの数字の「データ」を見ても、クリスやアークのように感情が動かされることはありません。
血が出ていたり、痛がっていたりという感情の表現がないからです。
前回、量子力学の授業で「感情はデータ化できない」という話がありました。
その復習……とは、「残酷である」ということしか分からない、こんなシーンで体感することになったんですね。


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女性AIたちに、この世界の人間は「幻体」と呼ばれていることを教えてもらうキョウ。
今ここにいる自分は存在するのか? 存在とは何なのか? という問いかけには……。

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水の中のような空間で、レムレスが応じてくれます。
過去の哲学者たちの「存在」に関する名言を引用するレムレスと、それを言った人物を的確に当てるキョウ。
引用された名言はこちら。

【Cogito ergo sum. 我考える、故に我あり】 ――デカルト
最近の日本語訳だと「我思う」が一般的に知られていますね。
「自分は本当は存在しないのではないか?」と疑っている自分自身の存在は否定できない。
―“自分はなぜここにあるのか”と考える事自体が自分が存在する証明である。(Wikipediaより)

【存在するとは、知覚されることである】 ――バークリー
唯心論です。
物よりも精神が優位とする……つまり、「そこに存在すると思うことで、初めてものは存在する」「誰かに認識されて初めて、存在することになる」という考え方です。

【悲しみは知識。多く知る者は、恐ろしい真実に深く嘆かざるを得ない】 ――パスカル
知識の樹は生命の樹ではないから、と続きます。
「知識の樹」と「生命の樹」は聖書ですね。1話で私が勝手に触れました。
悲しみも知識の一部。多く知識を得れば、悲しみも増える、といった感じの意味です。


これらの名言の引用に対して、キョウは「幽霊が、『魂は不滅』とか説教されてる気分」と評します。


弁証法的プロセス】
名言ではありませんが、対話や弁論を通して物事の本質を把握しよう、という方法です。アウフヘーベン
哲学者も多くこの方法を用いてきました。
ここでは、キョウの「自分は存在するのか」「存在とは何か」という問いかけに対して、レムレスが名言を提示。
しかし、その名言の内容について議論することはなく、キョウは切り捨てていきます。
それでも「幻体とは、幽霊のようなもの」という本質に近付くキョウを、弁証法的プロセスを経ず、急速に認識を深めつつある」とレムレスは評価します。

キョウがなぜ急速に認識を深めることができたのかは、本人が「新たに学んでいるのではなく、思い出しているのだ」と自覚しています。


そしてもう一つ、レムレスが知っていそうな大きな謎。
ガルズオルムのアビスとは何者か? という問いに対しては、
「ガルズオルムの復元者。敵です」とシンプルに返答。


Bパート。
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マンションにはかつて多くのセレブラントが住んでいたが、大半が戦死して空き部屋に。
母親の姿が見えないのは、見えなくても生活に支障をきたさないから。

といった、なんとなく不気味だった謎が一気に解けていきます。
母親という存在が「見えなくても支障がない」というのは切ないですね。
商店街を歩く他人や店員が見えないのも「支障がない」ということだったんですね。

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カミナギとつい最近作った思い出の跡。
キョウ(あるじゃんか、こっちの世界には)

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クラゲの授業。今回も生物です。
胚とは、受精した卵が細胞分裂をしている際の、発生したばかりの生物の状態を指す言葉です。
板書には「カエルの胚の内部のようすはカミソリで断面を(つく?)ることにより 簡単に観察できる」とあります。

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水泳もばっちりなミズキ。
カミナギ「さすがだねミズキ。水泳部に入ればいいのに」
ミズキ「あたしは演劇一筋。」

嘘!? てっきりスポーツ系の部活だと思いきや、演劇部。すごい子だ。

ミズキ「ねぇ見た? さっき」
カミナギ「なにを?」
ミズキ「ソゴルのやつ、なんか変だったよ? 鬼みたいな顔で歩いてた」
カミナギ「そう? 朝は普通だったけど」
ミズキ「リョーコの前ではかカッコつけてんじゃない?」
カミナギ「……? なんで?」
ミズキ「……。だねー」

キョウの苛立ちに気付いたり、カミナギの鈍感さに気付いたりとなかなか鋭いですね。

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キョウ「出るじゃんか……血。そりゃそうだよな。ったりめーだ人間だもんな。ハハハ。ハハハハハ……」
カワグチ「なんだあいつ、キショくね?」
ウシオ「ああ。水泳部がどうとかのレベルじゃねえな」
ハヤセ「……」

この三人から見ても様子がおかしいキョウ。

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トミガイとキョウ。5話に引き続き、相談しています。
「米海軍が、不時着したゼロ戦を分析し、ゼロ戦の不敗神話を打ち破った」という話をしつつ。
トミガイ「ま、敵のデータを奪う目的って、そんな感じだよね」
キョウ「やっぱな。やべーにおいがするわ」
トミガイ「しますか。けど、ゼーガのゲームにそんなシーン……
キョウ「いいやつだよ、お前は。やっぱ幽霊でも幻でもねえ」

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映画のワンシーンに使うつもりだったのか、傷のついた頬が映ってしまいカミナギからはダメ出し。ぶぅ~。


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ナレーション「あなたは、戦えますか?
突然、目の前の世界が崩れ去っても――
これは、40年後本当に起こること――
世界の未来へ、ようこそ。」

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カミナギ家でPain of ZEGAを黙々とプレイするキョウ。
傍目に見ながら「やっぱ、ちょっと変」とつぶやくカミナギの手元には水族館のチケット。
拗ね気味の彼女でしたが、キョウから散歩に誘われるとぱっと顔を輝かせます。


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黄色から赤に変わる信号機。通行止めの標識も見えます。
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カミナギはくるくる回って楽しそう。
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ニュース「昨日、正体不明の武装車両に襲撃された国連専用車は、その後の調査で、極秘の軍事資料を奪われていたことが判明。治安当局は、対応策の取りまとめに追われています」
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二人だけの商店街。

リチェルカ「その通り! 微妙にリンクしてまーす。あっちとこっちの世界は」
ニュースの伏線が回収されました。
今までニュースが映っていたのは3話と5話です。

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キョウは、カミナギには笑顔を向けつつも……。

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ディータ「あなたは必要としていないから見えないんです。必要としている人には、店員も客も存在する」
誰もいないように見えるレジに小銭を置くカミナギ。小銭は確かになくなっていました。
その様子を外から眺めるキョウ。

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川に映る夕陽と例の橋。

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カミナギ「静かだね……」

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カミナギ「あ……!」
キョウ「なぁカミナギ

ちっっっっか。カミナギじゃなくてもドキドキしてしまう。
キョウ「お前本当にカミナギ……。……だよなぁ」
カミナギ「……は?」
キョウ「ハハハ、なに言ってんだ俺、ダメだこりゃ。ハハハ……」
カミナギ「……」

ここのカミナギの視線の移り変わり。
キョウ、空、キョウ、橋の向こう。
かわいいなぁ。かわいいなぁ!!
ぜひ映像で確認してみてください。
色々と明らかになったり小難しい話をした後でもあるので、この散歩シーンはいっそう沁みます。良すぎてたくさん書いてしまった。

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カミナギ「あー、東京が見える」
キョウ「そりゃ見えるさ。すぐ隣なんだから」

こんな時間がずっと続けばいいのに……。

キョウ「……東京!?」
カミナギ「私ね、二学期になったらミズキと渋谷に遊びに行く約束したんだ。夏休みでもいいんだけど……」

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カミナギ「なんか、夏休みは行っちゃいけない気がして」
遮断機が下りて電車が横切ります。
カミナギ「あれに乗って行くんだ」
舞浜と東京を繋ぐ橋だったんですね。

キョウ「今行こうぜ!」
カミナギ「え!?」

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カミナギ「行っちゃいけない気がする」と引き止めますが、キョウは「一人で行く」と電車に乗り込んでしまいます。

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この中吊り広告の虹色の飲み物なに? 存在感がすごい。

橋を渡り、トンネルに差し掛かる電車。
キョウの目的は、外から街を見ること。
東京から自分の街を見ることができれば、AIたちから聞いた話は現実ではないというわけですね。
しかし、トンネルを抜けた次の駅は……

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出発したはずの南舞浜駅
ベンチで待っているカミナギの姿もあります。
キョウは「ありえねぇ」と再び同じ電車に乗りますが……

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シズノ「無駄よ」
キョウ「シズノ先輩……!」
シズノ「街の外へは出られないわ。そんなものは、存在しないのだから……。私たちのこの世界は、今とここしかない、閉じた世界」
キョウ「嘘だあああ!!!」

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再びトンネルに差し掛かる電車。
シズノ「そんなに私に言わせたい?」
シズノ「そうよ。舞浜市は、量子コンピューターサーバーに保存された仮想空間
キョウ「……!」
シズノ「そして私たち幻体は、肉体を失って量子サーバーの中で生きるデータ人格記憶体
シズノ「人類はガルズオルムに滅ぼされた。もはや地球上には、生物としての人間はひとりもいない!」
キョウ「ちょっと待てよ……!」
シズノ「私たちは、機械の中の幻の街で暮らす、滅亡した人類の記憶なのよ!
シズノ「……(言わせるなんて)意地悪……」

6話で判明した事実を淡々と並べる先輩。

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シズノ「あ……!」
EDのインストが流れ始める。
キョウ「……先輩の言うことが本当なら……目を開けた時に作り物は……」
シズノ「だめ……!」
キョウ「全部消えちまえ!!」

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キョウ「うおおおおおおお!!」

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トンネルを抜けるのと同時に宙に投げ出されるキョウ。
「作り物」の電車や街が消え、自分の服までもが消え、やがて真っ白な世界へ……。

ここ、キョウ自身も消えてしまうのではないかと思いましたし、実際に一瞬消えたのではないかと思っています。

シズノ「私たちは、今とここを、受け入れるしかないの……」
ED「時が戻ったら……」

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一旦すべてが消えてしまったことで、シズノの言葉通り、現実を「受け入れるしかなかった」キョウ。自宅のベランダでうなだれます。
キョウ「参ったな、カミナギ。俺もお前も、幻だってさ……」
ED「キスしてグッバイ ありとあらゆるもの……」

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衝撃の余韻を残す中、手すりから虫が飛び立ち、そこに微かにノイズが走ります。
虫は英語で「バグ」。
プログラムの不具合の「バグ」の語源です(機械に虫が入り込んで不具合を起こすことが多かったとか)。
今まで散々「バグっぽい演出」をしてきたことが効いてきますね。
本当に「プログラムの中の出来事」だったんですから……。

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見慣れたこのED映像も、このタイミングで流れると胸が締め付けられる気持ちですね。

記憶のふちで 時はくり返す
イメージをみた イメージをみた ha……
キスしてグッナイ もう眠らない
星の降る夜は time goes by

「リトル グッバイ」の新しいサビが流れます。
この気持ちをもうどうすればいいかわからない。
この物語にハッピーエンドはあるのだろうか。
助けてくれ次回予告!

カミナギ「キョウちゃん、なんか元気ない。
なんか無理してる。
もしかして、シズノ先輩にフラれたとか!?
つらいよ。キョウちゃん悩んでるの、ただ見てるだけなんて。
そうだ。キョウちゃん、ロケハン付き合って!
張り切っていくわよ。デート、デート!
次回、ゼーガペイン「迷える魂」。
消されるな、この想い。」

カミナギはそのままでいてくれ~~!!!!

***

すみません、多忙だったり体調を崩したりして大事な回だというのに一か月以上開けてしまいました。
7話、8話も大事な回……いや、全部大事な回なので、またこのブログ、そしてこの作品にお付き合いいただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。